2013年12月23日月曜日

自由という名の牢獄

 「ホテル・カリフォルニア」というアルバムでよく知られるイーグルスの代表曲のひとつに「デスぺラード」っていう曲がある。

Desperado, why don't you come to your senses
You've been out ridin' fences for so long now

ならず者よ、どうして気が付かないんだ? 
お前はもう随分長い間、どっち付かずでふらふらと歩いている

〜〜中略〜〜

And freedom, oh freedom well, that's just some people talkin'
You're prisoner walking through this world all alone

自由、自由って人はいうけれど
おまえは一人ぼっちで歩き続けている囚人なのさ

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 僕たちが「自分の気持ち」を大切にして生きるようになって、もう20年近くが過ぎた。「自分探し」、「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン」、「あなたはあなたのままあでいい」「自己責任」……。「自分の気持ち」を何よりも大切にするキーワードが幾度となく繰り返されながら、90年代、そして2000年代が過ぎていった。

 今やネットを介して好きな人と、好きな時に、好きなだけ繋がることができる。家族と一緒に観たくもないテレビを観る必要もない。僕らはめいめい、好きな時に好きなことをして生きられるようになったし、やりたくないことがあったら「それは僕のやりたいことじゃない」って言えば、それが理由として認めてもらえる。親や上司に叱られたら、バーチャルの世界に逃げ込めばいい。

 場所や時間の制約も、世間や親の縛りも大幅に薄れて、僕たちは確かに自由に生きられるようになった。クラウドファンデイングでお金を集めて起業でも結婚でも出産もできる時代。好きなことを見つけて「自分らしく」生きれば、誰しもがそれを認めてくれる。

「やりたいこと」なんて分からない
 難しいのはここから。
 イチローみたいに「やりたいこと」や「得意なこと」が分かる人なんて、実はほとんど居やしない。起業ができる人なんてごく一部。自分らしさがなにかなんて、分かりはしない。僕だって例外じゃない。47歳にもなっていまだに何がやりたいのかよくわからないし、「自分らしさ」なんてなんなのかいまだに分からない。

 でも誰にでもすぐに分かることがある。それは「やりたくないこと」だ。嫌なこと、嫌いなこと、面倒くさいこと、かったるいこと、ダルいこと、重いこと、辛いこと…… 誰だってやりたくなんかない。でも、世の中の大半のことは、そういう「やりたくないこと」でいっぱいらしい。

 だから何をするのも面倒くさい。つい、先送りしたくなる。そして、そんなふうに何事も面倒くさい僕たちに、時代はちょっと自由過ぎる。時間をつぶしたかったら、ゲームをしたって、ソーシャルをしたっていい。分かったようなことを呟けば、だれかが反応してくれる。

自由とは孤独なもの
 「自由」って多分、そもそも孤独なものなんだ。
 孤独に耐えられずに、誰かに愛されたいんだったら、人と関係を作って、少しばかりは責任や約束を果たして行かなくちゃならない。それは勝手気ままの自由とはちょっと違うんだけど、仲間を得て、自分の地平を切り拓いていく自由だったりする。決してなかなか思い通りになってくれない。でも、そうやって広がっていく世界は悪いことばかりじゃないような気がする。

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前述、「デスぺラード」はこんなふうに終る。

Desperado, Why don't you come to your senses?
come down from your fences, open the gate
It may be rainin', but there's a rainbow above you
You better let somebody love you
(let sombody love you)
You better let somebody love you...ohhh..
before it's too..oooo.. late

ならず者よ、どうして気が付かないんだ?
フェンスから降りてきて、門を開けてごらん
雨が降っているかもしれないけど、その上には虹が輝いているんだ
お前は愛されることを受け入れたほうがいい
手遅れになる前に
愛されることを受け入れたほうがいい





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なお、この曲は、アルバム「Desperado」収録されています。



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