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Brighture English Academy 代表。趣味はウクレレとかハイキングとかDIYとか旅行などなど。在米20年。シリコンバレーに住みつつ、日本とアメリカとフィリピンで会社経営しています。最近は英語教育がライフワークになりつつある。

2017年8月18日金曜日

牛乳石鹸のCMに感じる15の違和感

最近話題の牛乳石鹸のCM。昨日ようやく見ました。

このCMについてはもうすでに語り尽くされた感もあるので今更とも思ったのですが、僕が感じた違和感を箇条書きにして見ることにしました。



1. この夫は心を病んでいるのではないか?
この夫、通勤中の表情も虚ろだし、心を病んでいるのではないのか?

2,  妻の表情が妙に明るいのはなぜ?
この妻、もしかしてモラハラ? あの表情の夫にゴミ出しとか買い出しとか頼めるかな? 夫の表情を見て心配にならないのかな? 夫とあまりにも対照的な表情が印象に残る。

3. ゴミ捨てはそんなに大変か?
ゴミ出しってそんなに大変か? やらされている感満載でビビる。

4. 通勤のバス、ヤケに空いてるな
昔日本に住んでいた頃、僕は都内まで1時間半もかかるところに住んでたけど、バスはいつも混んでいて立ちんぼだった。なんでこんな空いているんだろう? 不思議だ。

5. 妻は1日何をしている?
共働きなのか専業主婦なのか映像からは判断しづらいのだが、プレゼントもケーキも夫に頼んだ妻は一体何をしているのか、いまひとつよくわからない。

6. この夫は子供を愛しているのか?
なんでこの父親はあんなに無表情でプレゼントを選んでいるんだろう? 謎すぎる。俺、子供のプレゼント買うの楽しかったけどな。喜ぶ顔を想像して、あーでもない、こーでもないと考えた。それとなく欲しいものを聞いたり、小学生の間で流行ってるもの調べたり。あの頃のことを思い出すと今でも温かい気持ちになれる。「幸せな時間を与えてくれてありがとう」ってこっちが礼を言いたいくらいだけどな。意味わからん。

7. この夫婦、段取り悪すぎ?
なんで夫がゴミ袋抱えて玄関を出るところでケーキを頼むのかな? 一人息子の誕生日のケーキくらい買う係も店もせめて前日のうちに決めとけよ。それから、子供の誕生日のプレゼント、なんで当日に買うかな? 俺はいつも数日前に済ましてた。夫婦揃って段取りが悪すぎじゃないかな?

8. なんで息子の誕生日に飲みにくかな?
後輩が上司に怒鳴られ、その彼を飲みに連れていくわけだが、なぜそれを翌日にしないのかな? ここが一番意味不明すぎる。そもそもお前は後輩の親か? メンタルケアやってやるのは実の息子が先だろうよ。

9. 妻の電話シカトすんな
妻の電話をシカトするってどういうこっちゃ? 子供の誕生日に帰らないだけでもどうしょうもないのに、マジでどうなってるんだろう? 妻とは超絶不仲とか? 設定が意味不明すぎる。

10. ナレーションが意味不明
途中、

「あの頃の親父とはかけ離れた自分がいる。家族思いの優しいパパ。時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか」


という語りが入るのだが、これまた意味不明。いやいや、君、別に家族想いの優しいパパじゃないでしょ。全然ダメだよ。

また後半、

「親父が与えてくれたものを、俺は与えられているのかなぁ…。ふとそんなことを思ったり」

というナレーションが入るが、「心配するな。何も与えてられてないから疑問に思う必要すらないぞ」ってツッコミを入れたくなるレベル。

11. 酔って帰ってきたところを妻に問い詰められると「風呂入る」とシカト
おいおい、普通に話ししろよ。目ぐらい合わせろよ。それじゃ人としてダメだろ!

12. 「さっきはごめんね」の一言で終わりですか?
えっ、それだけ????

13.  最後の「さ、洗い流そ。」というテロップ
これ、一体何を洗い流すんだろう? 妻への恨み? 意味がわからなすぎる。べっとりと残った不快感を洗い流したいのは息子と妻の方ではないのか? 

14. 子供は何思う?
子供がお父さんのいない夕食の時にどう思ったか、ぜひ入れて欲しかった。子供の心理描写が一切登場しないことにも違和感を感じる。

15. このコマーシャルの目的は一体なんなの?
これ、一体誰に何を訴求したくて作ったんだろう?これを見て牛乳石鹸を買いに走る人はまずいないだろう。逆に買わなくなる人は山ほどいそうな気がするのだが。

違うコマーシャルだったらよかったかも

このコマーシャルがもしも精神安定剤のコマーシャルか、ファミリーカウンセリングとか精神科医への受診を啓蒙する広告ならかなり秀逸なコマーシャルだと思うのだが、どうにも石鹸と結びつかない。もしも話題作りがしたくて炎上を狙ったのならお見事でした。まあしかし、なんとも後味の悪いCMです。

世の中の反応がこれまた不思議

このCMに抱いた不快感をツィッターで流したら、「世の中に完璧な父親などいない」「母親も父親も時々不十分で後悔や自責を抱えてるよね。」「西洋的な価値観に毒されている」などなど、実に色々な反応をいただきました。それらの反応を読みつつ思ったことを少し。

世の中の大半の親たちは、それぞれその人なりに、その時その時のベストを尽くしている。良かれと思ってしたことが裏目に出てしまうことも多い。当然、自責の念に駆られる。当たり前ではないか。そしたらその都度、配偶者と話し合って軌道修正を図っていくしかないのだ。多くの夫婦がごく当たり前にしていることと思う。

しかし、この父親役は一人息子の年に一度の誕生日にプレゼントとケーキ買ってまっすぐ帰ることさえもできやしない。夫婦が話し合っている形跡もない。365日のうちのわずか1日に、両親揃って一人息子の誕生日を共に祝ってやるという、ごく簡単なことさえまともにコーディネイトできない夫婦関係で、子供が思春期で難しい時期や、受験に失敗した時、あるいは家族が難病を抱えたりした時に、一体どうやって乗り切るのだろうか?

誰に強制されたわけでもない。自分の意思で結婚し、子供を作ったのだ。「仕事ガ〜」とか言って面倒臭いことから逃げ回っている場合ではないのだ。どんな平凡な家庭だってそれなりのドラマがある。子育てはやっぱり一大事だ。そしてそれがやっと終わったと思ったら、今度は自分たちの親が老い、その面倒が待ち受けている。それが責任を引き受けるということではないのか?

以上、このCMに抱いた違和感モロモロでした。

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1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

結論:ネグレクトは連鎖する