2012年2月28日火曜日

アップルを例に考える、ニ極分化の世界

世界は急速に極端なニ極分化が進みつつあります。

要するに極一部の人間が金持ちになって、残りは全員貧乏な労働者になる世界です。

アップルを例にとって考えてみる
例えばアップル。

アップルの従業員は世界中でたった6万人しかいません。

しかしアップルの従業員で開発やマーケティングの中枢に関わっている人はせいぜい1万人でしょう。後の5万人は世界中にできたアップルストアの従業員です。そして同じアップル社員でも開発に関わる人達とストアの売り子さんとでは賃金の体系がまったく異なっています。

本社の中枢業務に関わる人は平均すると10万ドル程度の年棒でしょう。まあ感覚的には1000万円といった感じです。これを時給換算すると年間2000時間働くとしておよそ50ドルと言ったところでしょうか。

次にストアの売り子さんたち。この人達の給与は時給で12ドル程度と言われていますから、割のいいバイトに負けてしまうような額です。

さて中国で製造に関わる人々。こちらはFoxconnの従業員ですが、なんと70万人(!)ほどの人がアップル製品の製造に従事しているそうです。Foxconnは待遇がかなり悪いらしく社員の自殺が相次ぎ問題になっています。

この人達の給与はこの自殺騒ぎと世間のバッシングを受けて最近大幅に上がり、時給1ドル程度となりました。(年棒およそ3561ドルだそうです)

さて。ではこれを並べてみましょう。

本社勤務50ドル > アップルストア12ドル > Foxconn 勤務1ドル

結構差があります。これがニ極分化です。しかしこれだけ見ると三極分化みたいな気もします。

ストック・オプションを考慮する
さてここから考えなければならないのは給与ではなく、アップルの優秀な社員に配られるストックオプションです。

最近私の友人がアップルを退職しました。彼はアップルに15年ほど勤めており、そこそこ出世してシニア・エンジニアリング・マネージャーとして活躍していました、堅実な人で、それまでに貰ったストックオプションにまったく手を付けておらず、退職時に一気に現金化しました。その額なんと800万ドルです。1ドル80円換算で6億400万円にもなります。

まだ45歳なのに退職と同時にリタイアしました。もう一生働かないそうです。

さてこの800万ドルを時給換算してみましょう。800万ドルを勤務年数の15年で割り、その額を1年間のおよその労働時間の2000時間で割ります。すると266ドルとなります。

先の時給50ドルと足すと、時給316ドルなります。


中堅幹部316ドル > 本社勤務50ドル > アップルストア12ドル > Foxconn 勤務1ドル

う〜む。ニ極分化が段々実感でき始めてきました。

では上級幹部はいくら稼ぐ??
では上級副社長とかそういうアップルの上級幹部はどのくらい貰っているのでしょうか?

iPodの父と呼ばれたトニー・ファデル氏を例に出して考えてみましょう。ファデル氏2007年に5万株、そして退職時に7万7500株の合計12万7500株のストック・オプションを手にしています。もしも彼がこれらをまったく現金化しておらず現在の株価で売ったとしたならば、12万7500株 x 535ドルで68,212、500ドル(54億5700万円相当)という途方もない額になります。ファデル氏は7年間アップルに勤めていましたから、これを7で割って年棒を出し、それを2000時間でわって時給を出すと時給が4872ドル(!)となります。つまり:

上級幹部4872ドル > 中堅幹部316ドル > 本社勤務50ドル > アップルストア12ドル > Foxconn 勤務1ドル

となります。

ファデル氏は確かに極めて優秀な方でしたが、Foxconnの工場労働者4872人分の貢献があったのでしょうか?iPod がアップルにもたらした莫大な利益を考えればYESであるような気もしますし、いくらなんでもそんな価値があるわけないような気もします。

こうしてファデル氏を引き合いに出してみると、はじめて2極分化がイメージが極めて具体的に湧くのではないかと思います。これは要するに中世時代の


領主と農奴

のような関係ですね。

このような社会がとてもいいとは思えないのですが、これを止める術は今のところ誰も考えつかないようです。

次回にはこのニ極分化の世界をどうやって生き残ればいいのか考えてみたいと思います。

PS:続きを書きました。次は「日本でも二極化が進んでいくのか?」です。



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