僕がまだ高校3年生だった1984年。
当時はまだコンピュータなんて企業や大学の研究所くらいにしか存在せず、高校にはマニアの先生が自腹で買ったマイコンが一台あるだけ、なんて感じだったのです。世間では「やがてコンピュータの時代がくる!」なんて言われていたようですが、「???」って感じでした。コンピュータってロケットの打ち上げか何かに使うもの、というイメージでしたから無理もありません。
まだアルビン・トフラーの「第3の波」も堺屋太一の「知価革命」も発売されておらず、「コンピュータの時代」が一体どんな時代になるのかなんて、だ〜れにも分からなかったのです。
僕自身、勉強したいことも、はたまたどんな大人になりたいのかもサッパリ分かりませんでした。戦中に青春を過ごした父は、「文系はすぐに兵隊に取られるからダメだ。なんでもいいから理系に行け」と二言目には繰り返しましたが、アドバイスがアバウト過ぎてどうしていいものやらサッパリ分かりませんでした。物理も化学も大の苦手で、理系に進むのはなんだかしんどそうでヤなこった、って感じだったのです。
それから10年後の1994年、僕はアップルコンピュータで働き始めるわけですが、すべては偶然の産物です。先見の明があったわけでも何でもありません。ただそれでも、父親を含む何人かの大人に言われた2つのアドバイスは実に有効でした。
「英語を憶えろ」
「理系の学問を学べ」
この二つのアドバイスを耳にすることがなかったら、僕の人生は随分と違ったものになっていたのではないかと思います。それじゃ一石二鳥とアメリカの大学でコンピュータを勉強することがなかったら、多分アップルで働くことなんてなかったでしょう。人生を変えてくれた、本当に貴重なアドバイスでした。
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多分この二つのアドバイスはいまでもかなり有効です。でも多分、他にもいろんなヒントやアドバイスがあるはずです。昨年5月に大石哲之さんと共同講演をした際に、現在のシリコンバレーとアジア新興国からの目線で、僕達の10年後の仕事のゆくえについてお話させて頂きました。その時の講演内容をベースに、今回大石さんと一緒に書き上げたのがこの1冊です。
今高校生や大学生をやっている若者や、就職数年目で今後の進路に迷っている若者たちに読んでもらえたらな、って思っています。
はたまた自分の子供や教え子への進路のアドバイスに困っている人にとっても、役に立つかも知れません。
考える糧になってくれれば嬉しいな〜〜〜! 是非お楽しみください!
1 件のコメント:
高校生や大学生にはもちろん読んでもらいたいですが、その親や大学の先生方にも是非よんでもらいたいですね。
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