2013年4月6日土曜日

「ノマド化する時代」〜そうそう、否が応でもノマドになってしまいます


この本、とっても面白かったです。


 拙書「企業が「帝国化」する (アスキー新書)」とも被るところが多く、読みながら「んだんだ!その通り!」と共感して頷いてしまうところがとっても多い本でした。

 著者はこれから世界は「グローバル企業・個人が主役になる新しい中世」になると謳っています。実は私も自分の本を書く時にまったく同じことを書いたのです。でもどうもうまくまとまらなくて結局この一節は削ってしまいましたが。要するにこれからの時代は「領主と農奴」みたいな感じで、「グローバル企業とノマド民」みたいになっていくんじゃないかな、って思っています。

 なぜそうなってしまうかと言うと、要するにITの発達です。同じ町内の人に仕事を発注するのも、遠い外国にいる人に発注するのも、いまやメールと電話で仕事が片付きますし、クラウドサービスを利用すれば本当にどこからでも仕事ができます。私の本も執筆は米国、編集はマレーシア、そして出版は日本で、それぞれの担当の方にあったことさえありませんでした(その時の感想はコチラ)。好むと好まざるとに関わらず、これからはそういう時代です。

 ネットやコンピュータの発達は個人のチカラを倍増してくれます。ネットでチカラを得た民衆はチェニジアとエジプトで革命をやってしまいました。東日本大震災の時にもツイッターやらフェイスブックが大活躍です。

 しかしITでチカラを得たのは個人だけじゃありません。企業もまたネットで機動性が非常に高まったのです。そして仕事はドンドンと海外へ出て行ってしまうのです。製造は人件費の安いところへ。特許や資産管理やオンライン決済は法人税が安いところへ。開発は才能が集まる土地へ。そうやって世界中に仕事が散らばってしまうのです。

 今後はもっと細かくなって、企業にとって都合のよい個人個人へと仕事が散って行くでしょう。そしてその行く先は労働者の全ノマド化です。シリコンバレーの企業なんてどこも年俸制ですし、感覚的にはサラリーマンというよりも野球選手みたいな感じです。年間離職率は14パーセントほど。同じ企業に10年いる人なんてほとんどいません。みんなすでに個人商店感覚なんです。またドバイでビルの建築に携わる労働者たち。ドバイ出身の人などはおらず、みんな近隣の国々からの出稼ぎです。これも一種のノマドでしょう。折しも日本でも解雇規制の緩和が論議され始めました。

 この本はそういう時代に先駆けて、実際にすでに個人商店化して働いている方や、国外に出ていって仕事をしてる方のインタビューなどもふんだんに載せてあり、単に時代を占う書物ではなく、どうやって生きていくのかの処方箋がしっかりと描かれた一冊です。読んでみるべし。おすすめです。



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