2013年7月21日日曜日

「罰」の効果〜『反省させると犯罪者になります』

 どんな人だって、生きている限り「過ち」を犯してしまう。

 友達から借りて返すのを忘れてしまったお金。あるいは悪友に誘われて断りきれずにやってしまったタバコや万引き。些細な口論から始まった友達との絶縁。ヤケになって辞表を叩きつけた会社。

 「過ち」を犯してしまうこと、そのこと自体は多分仕方がないことだろう。子供のとき、そして若い時には特に仕方がない。だってまだ右も左も分からないんだから。悪いことをは知らずにやってしまったり、後先を考えなかったり、誘惑に負けてしまったりと色々なことがあるだろう。

 大切なのは「過ちを犯さない」ことそのものではなくて、「過ちから学んでいく」という態度なんだと思う。そうやってオレたちはみんな、さまざまな過ちを犯し、周囲の人々に迷惑をかけつつ、少しずつ学んで行く。

航空機の事故調査
 航空機って人間は生み出した移動手段の中でもっとも不安定なものなのに、もっとも安全な乗り物として知られている。事故に合う確率は、8200年間毎日飛行機に乗っても遭うか遭わないかと言われるほどにまで低いのだ。

 事故調査の際に刑事責任や民事責任を関係者に課さないという原則が確立されているため、罰を与えることよりも原因究明や再発防止が最優先される。そうした決まりのお陰で事故調査が進み、年を重ねるごとに、より安全な乗り物として進化していったのだ。

自分はどうだったけ?
 じゃあ僕らが子どもたちや中高生や新入社員らが過ちを犯した時に、原因究明や再発防止をしているんだろうか?

 門限に間に合わなかった子を怒鳴りつけると門限を守るようになるんだろうか?

 宿題を忘れた子をみんなの前で叱りつけると忘れなくなるんだろうか?

 万引きした少年に反省文を書かせ、お店に謝りに行かせると2度と万引きしなくなるんだろうか?

 イジメをした子は?

 仮に再発しなくなったとしても、それは単に「割に合わない」からしなくなるだけであって、割に合うなら、あるい見つからないのなら、またすぐに同じ過ち、あるいは同じ罪を犯すんじゃないだろうか?

 オレ自身、子どもの頃に随分とお説教され、怒鳴られ、殴られた。特に父親にはしばしばこっぴどく殴られたっけ。そしてその都度、いつか体が大きくなったら仕返しをしてやろうと、憎しみを溜め続けた。そもそも叱られた原因なんてあっという間に忘れてしまった。

 反省などした事は一度もなかった。本当にただの一度も。

それどころか、そのうちに段々と殴られることに慣れてしまい、「まあどうせ悪さして見つかっても殴られるだけだ」と開き直っていた。

親として、指導者としての自分は?
 かく言う自分も、自分自身が親になったときに、随分と子供を叱りつけた。

 なぜ子供が過ちを犯すのか、原因究明なんてしたこともなかった。厳しく罰すれば、罰せられることを恐れて過ちを犯さなくなるだろう。そんなふうに考えてた。結局、あれほどイヤだった自分の父親と大差なかった。さすがにしょっちゅう殴るようなことはしなかった。でも、息子とホンキで関わったことなんて、一度もなかったように思う。

 子供が14歳の時にキッチリと反抗をしてくれたお陰で、ようやく目が覚めた。怒鳴ったって、叱ったって、反省文書かせたって意味ないんだ。初めて子供の話を真剣に聞き、彼の苦しみの原因はどこなんだろう?って考えた。何故彼は、自分の価値が下がってしまうような、馬鹿げたことを色々とやるんだろう?

 思い当たることは沢山あった。その原因の多くは、彼じゃなくって父親であるオレ自身にあった。息子の葛藤に気付いてあげることなんかなかったし、同じ目線に立ってあげることもなかった。そんな自分を恥じた。反省するべきは息子よりもむしろ俺自身だった。

 それから4年が過ぎて、ちょっとばかりはマシな父親になれたように思う。実は自分がそう思っているだけで、まだまだなのかも知れないけど。


反省なんて意味がない
 今回の参院選で当選したワタミの前会長、渡辺美樹氏が理事長を務める中高一貫校では、不良行為が発覚した生徒に400字詰め原稿用紙100枚の反省文を課しているという(週刊文春より)。学校側はその理由を「二度と同じ過ちを繰り返さないという気持ちになってもらいたい」からだと説明している。そんなことさせて反省なんてするかな?見つかって運が悪かった。みんなだってやっているのに……。今度から見つからないように気をつけよう。そう思わせるのが関の山だろうな。そして高校時代を人生の中の最悪な1ページとして記憶するだろうな。渡辺美樹氏が今後、国会議員という立場でどんな教育政策を推進して行くのか、注意深く見て行く必要があるでしょう。
 
 そんなことを考えさせてくれる一冊、それが「反省させると犯罪者になります」という一冊です。ずっしりと来ました。

 累犯受刑者の更生支援に関わってきた著者、岡本茂樹氏の言葉は重い。子育て真っ最中の親御さん、教育関係者の方々には是非是非強くお勧めしたい一冊です。良書です。

 まだまだ書きたいことが沢山あるけど、長過ぎるので今日はお終い。続きは次回に。


PS: 続きを書きました。『「反省」ってどんなときにするんだろう?』です。




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