若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
posted with amazlet on 07.03.28
城 繁幸
光文社 (2006/09/15)
売り上げランキング: 1081
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エリートの意見閉塞感の理由
19歳の経験不足の私から見ると
なんとなく本屋で立ち読みして面白いかったので買ったみた。
年功序列というシステムは、若い社員が働いて中高年社員の懐を肥やすシステムなのだと喝破する。その上で、少子高齢化も相まって将来自分が肥える立場になるとは限らないぞ、と不安をあおり、この既存のレールを降りることを妙に強く薦める本である。
かなり的確に日本の社会制度や会社の本質的な問題点を突いている。
ただ... 極論が多い上になんとも検証が足りない思い込みによる主張も多い。そんなわけで星2つ。
何でもかんでも年功序列を利用した搾取のせいにし過ぎ。そんでもって欧米を持ち上げ過ぎ。欧米の搾取なんて日本の100倍酷い。アメリカだって抗鬱剤飲みながら働いている奴ゴロゴロしてるんだが...。しかも健康保険に入れない人があまりにもいるんで社会問題になっているだが... アメリカ国内に10年住んで、現地企業で5年働いてみての実感。著者も思い込みで本を書かずに一度くらい欧米の現地企業で働いてみればいいのに。
それから外資系を褒め過ぎ。外資系で11年働いたけど、そんなにたいしたもんじゃない。はっきり言って日本の老舗の企業の方がよっぽどしっかりしてるし、やりがいのある仕事だって与えてくれる。
むやみにレールを降りることを奨めているけど、年功序列のレールを外れて自力で道を切り開けるような奴はそもそも企業の食い物なんかにされない。
仮に日本の会社が年功序列を捨てて成果主義にうまく移行できたら日本の未来は明るいというのか? 多分、かえって「格差社会」が広がっていくだけだろう。 さらに自殺も増えるだろうし。
そんでもって著者は具体的な解決策はなにも提示していない。
読んでおいて損はないけど、この本を鵜呑みにするのはそうとう危険。
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