私が住んでいるいわゆるシリコンバレーでは、1990年代の半ばから白人が減り続けており、代わりにメキシコ人、アジア人の人口がひたすら増え続けています。
シリコンバレーは世界各国からエンジニアが転職してやってきますから特殊なんじゃないかと思っていましたが、実はそういうわけでもないらしいです。
2042年には白人の人口比率が過半数を割るという予測もされています。
西海岸や東海岸、またメキシコとの国境に接しているアリゾナなどではもうこれは現実の出来事になっています。
ちなみに現在のアメリカの人口分布はまだ75%は白人なんです。しかしこの75%はラテン系の白人も含んだ数字で、実際はおよそ66%だと言われています。
人種 | % | Number |
---|---|---|
白人(ラテン系の白人を含む) | 75.0% | 228.2 百万 |
ラテン系 | 15.4% | 46.9 百万 |
黒人 | 12.4% | 37.6百万 |
その他 | 4.9% | 15.0 百万 |
アジア系 | 4.4% | 13.4 百万 |
2つ以上の人種のハーフ | 2.3% | 7.0 百万 |
アメリカ・インディアン | 0.8% | 2.4 百万 |
ハワイ人 | 0.14% | 0.43 百万 |
ラテン系は今でも15%もいますが2050年にはこの倍の30%、アジア人も現在の5%程度から9%に増えるだろうと言われています。つまりシリコンバレーに見られるようなラテン系やアジア系の人口の増加は、いわばこのようなアメリカの将来を先取りしているに過ぎない、というわけです。
しかしいくら人種のるつぼなんていったって、こうした変化を快く思わない人達は沢山いますし、快く思わないどこ路か脅威に感じて白人以外の人口増加を食い止めようと政治活動をしている人も沢山います。
心情的には分からなくもありません。街に出れば外国語が聞こえ、銀行や役所の案内が英語以外にスペイン語や中国語で書いてあれば違和感を憶えるなというのが無理ってもんです。外国人の私でさえ違和感を感じる始末です。
で、こういう白人の方々がどうしているかというとですね、沿岸部を抜け出しどんどん内陸部に引っ越しているんです。
90年代に入ってからは特にこの動きが顕著で、ユタ、アイオワ、コロラドなどの内陸部には白人の人口が95%を越える都市が形成されつつあります。そしてこういう人達が共和党を支持し、イラク戦争などを支持し、FOX ニュースを見てるってわけです。
この結果沿岸部での白人率はますます下がり、ここは本当にアメリカなのかと思ってしまうぐらいです。
さらに白人の人口はほとんど増えていないので「白人の中高年 vs. 増え続けるラテン系の若者」というような世代間抗争の様相さえ呈しています。実際問題白人の年金を若いラテン系が支えているような構図もありますので、ラテン系を排斥すれば済むような簡単な問題ではありません。
有色人種の私にとってはアメリカに住み始めた80年代の前半に比べると格段に過ごしやすくなったのでこうした傾向は大歓迎です。その一方で日本にも外国人に参政権を与えたり移民を受け入れようという動きがありますが、一体自分たちが何にコミットしているのかよくよく考えた上で実行に移した方がよいでしょう。
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