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Brighture English Academy 代表。趣味はウクレレとかハイキングとかDIYとか旅行などなど。在米20年。シリコンバレーに住みつつ、日本とアメリカとフィリピンで会社経営しています。最近は英語教育がライフワークになりつつある。

2012年3月9日金曜日

日本でも二極化が進んでいくのか?

貧富の差が広がる二極化の問題が叫ばれてもうしばらく経ちます。数日前にアップルを例にとって二極化の話をしましたが、この流れは当分の間止ることはないでしょう。

さて今日はどこまで二極化が進むのか考えてみましょう。ニ極化がどう進むのかを考える上で必要な、1)今後仕事の流出は続くのかどうかと、2)どんな仕事が国内に残るのかを考えた上で、3)日本での二極化がどのように進んでいくのか考えてみたいと思います。

仕事の流出はずっと続く
前回書いた通り、中国の労働者は時給1ドル(80円)程度で働いています。

日本も1965〜1970年頃はまだ時給が120円程度でした。同じ頃、アメリカの最低賃金も1ドル25セント程度だったのです。ところが当時は1ドル360円もする時代でしたから、アメリカ人から見ると日本人は時給30セントぐらいで働いてくれる感覚だったでしょう。多くの仕事がアメリカから日本へと流れてきました。

やがて日本の物価が上がると、アメリカから日本に仕事が流れてくるのが止りました。そして日本を素通りして台湾、韓国といった国に流れていくようになり、1990年代の終わり頃からは中国です。日本からも仕事が他国に流れていくようになりました。

仕事がより賃金の安い国に流れていくのは、水が高いところから低いところに流れていくのと同じで当たり前のことです。ですから基本的に防ぐ手だてがありません。今後もまだまだ仕事の流失が続くでしょう。

中国の賃金も数十年先には日本と同じくらいにまで上昇するでしょう。しかしその頃には他の労働力の安い国が台頭している可能性が非常に高いので、仕事の流出は半永久的に続くと考えてもいいでしょう。

どんな仕事が流失するのか
日本以外で実行可能な仕事はすべて出て行くと考えておいた方がいいでしょう。

製造業
これまで通り工業製品や衣料などの製造は中国に流出し続けます。すでに中小の企業も随分出て行きましたが、更に出て行くでしょう。8〜9割は出て行くのではないでしょうか?

ソフトウェア開発業務
ソフトウェアの開発も間違いなく出ていきます。開発もテストもすべて出て行きます。国内に残るのは設計と日本語化の作業だけでしょう。うっかりすると設計さえ出て行く可能性が少なくありません。ソフトの外注化は工場を海外に移転するよりもずっとハードルが低いです。一度出て行き始めたら止ることなく出てゆくでしょう。

マーケティング業務
縮むばっかりの日本市場でマーケティングをしても仕方がありません。そこで新興国で市場開拓です。ですが英語もロクに喋れない人に新興国でマーケティングできるわけがないので、これも海外に出てきます。人材は当然、海外採用の人達でしょう。

で、日本はどうなる?
日本から出て行かない仕事もあります。例えば医療、介護、散髪、外食、教育、観光などのさまざまなサービス業は海外に移りようがありません。しかしそれ以外の仕事がなくなっていくと、日本から無くならない仕事に人が集中し、競争が激化します。また人口減少に伴いあらゆる市場が縮んでいくため、小さくなるパイの奪い合いで企業間の競争は激化するでしょう。それなのに利益は拡大しないという非常に厳しい状況が待っています。

例えば教育ですが、今後は沢山の大学や専門学校が潰れ、小中学校が閉鎖となり、残った学校が子供の奪い合いをするでしょう。こうしたことはもう始まっています。子供は減る一方なので当然のことです。

同じようなことが他のサービス業でも発生します。散髪、外食、衣料、食料品…… おおよそ考えられる限りすべての産業で同じような事態が発生するでしょう。

またこれらのサービス業の賃金も下落が続くでしょう。働きたい人に対して仕事の絶対数が足りないので、雇う側はよりどりみどりです。また終わりのない過当競争は賃金をさらに下げる要因となるでしょう。

で、日本の二極化はどこまで進むのか?
私は日本国内の二極化はあまり進まないのではないかと思っています。理由は3つ。

- 日本全体が負け組になってしまっているため、勝者と敗者の差があまり大きくならない。

- 他人の足を引っ張るのが大好きな国民性。ちょっと成功して目立つと不当なバッシングを受けてビジネスが立ち行かなくなるため、格差が拡大しにくい。

- 本当に資産がある者はコッソリと日本から出て行ってしまう。


アメリカはまるで領主と農奴のように二極化が進んでいますが、

日本はまるで

全員農奴

です。



でも多分、少しは救いがあります。次回にはそんな話を書いてみたいと思います。




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