さて昨日は、日本ではあまり二極化が進まず、みんな仲良く低賃金に喘いでいく、というような話を書きました。
ではどうやったら自分の生活を防衛できるのか考えてみましょう。どんな時代だってうまくお金を稼いでいく人はいるものです。今日はこれを1)個人の資質と、2)現実の仕事、という二つの切り口から考えたいと思います。
どんな人が収入を堅持するのか
人口/市場規模が縮小する中で収入を維持、あるいは伸ばしていける人は次のいずれかに当てはまる人たちではないかと思います。
- 医師免許、看護士、薬剤師などの医療系の資格を持っている
- 語学が堪能で、かつ専門知識がある
- 過当競争の中で有効な差別化が打ち出せるほどビジネスセンスがある
- 不安を乗り切って海外に打ち出たり、未知の市場を開拓するような勇気がある
残念ですがここに当てはまらない人々は向こう40年くらいは右肩下がりだと思います。
どんな仕事が手堅いか
次に手堅く稼げそうな仕事を考えてみましょう。
1)医療系
今後増えていくのは老人の人口だけです。老人はどうしても病気がちで怪我もしやすくなりますから、医療系の仕事はずっと堅調なまま続くと思います。また医療系は資格が必要なため明日参入しようと思ってもできません。どんなに保険料や自己負担が上がっても怪我や病気をしたら医者にかからざるを得ません。他業種に比べると過当競争に落ち入りにくく、今後ともかなり手堅い収入が見込めるでしょう。
2)海外を相手にする仕事
企業内であれ個人であれ、日本国内ではなく海外市場を相手にする仕事は相当な伸びしろがあります。新興国は高度経済成長期の日本のような勢いで伸びていますから、そういった市場を相手に輸出をするなり、サービスを提供する仕事は手堅いでしょう。この場合必要なのは語学と専門知識の組み合わせです。英語は当然のこと、中国語やスペイン語なども重宝するでしょう。またそれだけではなく、エンジニアリング、法律、マーケティングなどの専門知識は非常に重要です。うまい組み合わせを身につければ食べていくにはまったく困らないでしょう。これからはメーカーよりもむしろ商社の方が儲かるのかも知れません。
3)外国人向けの観光
中国や韓国、あるいは豊かになってきた東南アジアから日本への観光客は今後も増えるでしょう。向こう数年は原発事故のせいで下火のままでしょうが、数年以内に盛り返すでしょう。その時に例えば中国語ができるツアーガイドやスキー/スノボのインストラクターなどは非常に重宝されるでしょう。上記の海外を相手にする仕事と同じですが、違うのは日本に来て貰う点です。上手にやれば町おこし、村おこしさえもができるでしょう。
4)老人を相手にする仕事
日本で今後増えるのは老人だけです。
ですから唯一成長の余地がある仕事は、暇とお金がたっぷりの老人をターゲットにした「余暇産業」とでもいうべきものです。60歳ぐらいで引退して80歳まで生きれば20年間暇つぶしをしなければなりません。
老人に暇つぶしのネタを提供する。ここに凡人が今後の日本を生きていくヒントが隠されていると思います。
ここでは私が考えてみた幾つかのネタを紹介しましょう。
1. 老人向けのパソコンサービス
私は帰国する度に親のパソコンサービスをやっています。分からない事を教えたり、ワイヤレスのルーターを整備したりとけっこう毎回やる事があります。iPad などは極めて優れた商品だと思いますが、あれを使いこなすこと自体が老人には極めて困難です。若い世代にはそれぞれの生活がありますから頻繁に帰省してやってあげるわけにもいきません。ですのでこうした環境の構築とメンテをやって上げる出張サービスはかなり需要があるのではないかと思います。ダスキンのIT 版みたいなみたいな感じですね。
2. 老人の衣料販売
老人だってお洒落したいです。じっさい巷には素敵な老人のカップルをたくさんいます。おそらく奥様のお見立てなんでしょう。老人用というと途端にジジババ臭い服が増えてしまいます。奇抜すぎず、それでいて着心地の良い若く見える衣類などが開発出来ればそうとう売れるのではないでしょうか?またヒートテックのような機能性の高い衣類も売れるでしょう。ただ「老人用」と銘を打つと途端に売れなくなる気がします。上手にマーケティングをすれば相当な勝機があるでしょう。
3. 老人向けのソーシャルネットワーク
facebook やmixi のようなものですが、もっと敷居を下げられないのかな?と思います。例えばですね、旅行の予約ひとつだってグーグルで適切なサービスを見つけること自体が難しいと感じてしまうお年寄りも多いわけです。そんなときに高齢者向けのソーシャルメディアをウマく構築出来ないのかと思います。老人にも使いやすく、口コミ情報もとれ、簡単にお店やホテルなどが予約できるようなものです。上手にやれば非常に流行るような気がします。
4. 老人向けの食料品
非常に美味しいものを高価で小口で販売します。手の込んだ和食。手の込んだおいしいパンやお菓子。美味しい日本酒などなど。家族の人数が減ると食事の準備そのものがおっくうですし、1〜2人分作って手間ばかりかかり不経済です。だからおいしいものを極少ない量で販売します。
5.老人客を中心としたスポーツクラブ
日本人は根本的に真面目な人々ですから、熱心にスポーツクラブに通う人も多いでしょう。老人客をメインに据え、汗を流した後はちょっとお茶を飲んでくつろげるようにするなど、工夫ひとつでそうとう伸びしろがあるビジネスではないかと思います。
6.老人の社会参加を促す仕事
老人が社会参加、というと現在は老人会ぐらいしかありません。しかし例えば老人が幼稚園や小学校に行っておりがみや習字を教えるとか、なんか思ってもないような老人のスキルの活用方法があるのではないかと思います。そういう仕事をマネタイズできないものでしょうか?人の役に立つというのは究極の暇つぶしです。
7.「話し相手」業
実はただ単に「老人の話し相手になる」といった商売すら成立するかも知れません。顔を出して世間話をし、ちょっと買い物の代行をしてあげるなど……。子供が家を離れ、配偶者に先立たれて会話に飢えている老人は多いでしょうから、工夫のしどころでしょう。また上記にあげたいずれかのサービスを「話し相手」業とうまく組み合わせると面白いビジネスが出来るかも知れません。
嘆いていても人口は減るばかりですから、やはりここは色々と知恵を使って商売を生み出していくべきではないでしょうか?まずは「自分と自分の家族が食っていける」というところを目標にすれば十分に達成可能なのではないかと思います。
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2 件のコメント:
確かに老人の衣料品は効果ありますよ。
近くの店舗がそうでした。
結構わんさか毎日来てました。
安くてデザインもすごいおしゃれでした。
でも足腰悪く、車ない方が多いので、賃料の高い駅前の1階のような好立地でないと厳しいかも。(電車でこれるようなとこですね。)家賃月100万っていってましたね。
なるほど。面白いですね。
私の友人が高齢者向けに洋服の注文作成をやっていますが、口コミで広まって一家を養うほど稼いでいます。ご主人の収入も凌ぐほどのようで、要するにビジネスはやりようだな、と思います。Webページさえも無くてそれですから、上手に持っていけば数倍は儲かるでしょうね。
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