私は人生の1/3ほどを米国で過ごしてきました。最初に住んだ時には高校から大学卒業までの5年間。すっかりアメリカに染まって日本に帰りました。
自分でも染まっていた自覚もあったので、ここはコテコテの日本企業に就職して、どっぷりと日本に染まろう、ってなことを考え、日本に帰ると老舗のメーカーに就職しました。
結果は実に無惨なもので、就職して半年も経たないうちに神経性の胃炎に悩まされるようになったのです。それから我慢に我慢を重ねて勤め続け、就職からやっと3年経つか経たないかで結局会社をヤメてしまいました。
それから派遣社員を経てアップルに就職。外資は実に働きやすい環境で、「初めから外資系で働けば良かった……。」としみじみ思ったのを昨日のことのように思い出します。
一体日本企業の何がそんなにイヤだったのか……。そんな部分をエグるように思い出させてくれたのが『日本が世界一「貧しい」国である件について』という一冊です。著者、出版社の方に献本御礼申し上げます。
この本に書いてある内容、私にとっては別に目新しことは何一つなかったのですが、だからこそ思わず「んだんだ!」と相づちを打ちながらあっという間に読めてしまう1冊でした。
特に日本で遭遇する数々の意味不明な行事や規則……読んでいて日本の中学や高校、そして短いサラリーマン時代を鮮明に思い出しました。私たちが普通に「当たり前」だと思っているルールの中には、実には日本だけにしか存在しない、かなり奇妙なルールや慣習、実に沢山あるのです。
例えば日本の学校ってなんでも持ち物をに名前を書かされます。体操着には名前を縫い付けるように言われたりして、まるで囚人のように胸にデカデカとクラスと名前を書き込みます。
まあこれ、先生が便利なの、わからなくもないんです。でも一体なんでしょうね? こんなことしている国、多分あんまりありません。私はアメリカしかわかりませんが、私が行ったアメリカの高校はそもそも体操着さえなく、銘々が勝手なTシャツなどを授業に参加でした。他国の留学生からこんな話は聞いたことがありませんし、「Gym Shirt」でイメージ検索しても名前が縫い付けてある体操着なんて日本の以外は出てきません。
実は一事が万事この調子なのです。学活もなければ終わりの会もなし。学校に着いたと思ったらすぐ授業です。ノート提出なんていう奇妙な宿題(?)もありませんでした。そもそもノートを取ろうが取るまいが個人の自由です。服装検査とか持ち物検査とか一度もありませんでした。授業の際に座る席さえも決まっておらず、大学のように銘々が好きな場所に座っていました。
こんな些細なことから雇用の在り方に至るまで、日本は色々なことが決められており、それらのルールに懸命に沿うだけでクタクタに疲れてしまう、実に息苦しい社会だったりします。その辺りを上手に切り出して説明してくれる一冊が、この『日本が世界一「貧しい」国である件について』です。
日常を不条理だと思う方、おすすめです。是非ご一読あれ。
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1 件のコメント:
島国なため、ガラパゴス化で万事が独自進化しやすいのだと思います。国の指導層ほどガラパゴス化してますね。海外の情報を国内に伝えていくしかないと思います。
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