いや〜。素直に面白かった。是非多くの人に観てもらいたいです。
まだ日本で未公開なのでネタバレはなるべくしないように気をつけつつ。ちょっと感じたことをいろいろと綴ってみましょう。
あらすじは……
2028年、オムニコープ社は米軍にロボットを提供。海外のあちらこちらでロボットが治安維持や戦争目的で使われている。そんな時代設定の中、物語は始まる。
オムニコープ社はアメリカ国内でも治安維持のためにロボットの投入を行いたい訳だが、世論は警察官がロボットになってしまうことに強く反対している。なんとか世論を変えたいオムニコープ社。そこで純然たるロボットではなく、瀕死の重傷を負った刑事を改造し、ロボットと人間を合体させたサイボーグを創り上げる。
企業論理に強烈な既視感が……
細かい話はネタバレになるので割愛なんだけど、僕はこのオムニコープ社がプロパガンダやロビー活動によって法律改定をもくろむ過程がけっこう面白かった。アップルで働いていた頃、どうやったら中高生にiPodの購買層として取り込めるか、みんなでいろいろと知恵をしぼったっけ。iTunes カードやら廉価版のiPod シャッフルの発売などなど。たくさんの会議を懐かしく思い出した。
また1年ほど前に出版した「企業が『帝国化』する」の中で紹介した企業のロビー活動や企業論理の実態と、この映画の中のオムニコープ社のやっていることは大差がない。儲かれば何でもいい。邪魔するものは法律を改定してでも排除する。子供の病気が増えようと、環境が破壊されようと知ったこっちゃない。残念ながら、これが「企業論理」なんだよなあ……。別にアップルが悪い会社という訳でもなく、まあ企業というものはどうしてもこうなっていくんだよな、ってことを思い出させてくれました。
信じられる未来の設定
この新生ロボコップが提示する未来は、どれも今現実に存在するテクノロジーの延長線上にあって、十分信じられるものでした。もっとクラウドを利用しろよ、とか思ったシーンもあるんだけど、ネタバレになるので割愛。
それからみんなスマホを使っているんだけど、この頃にはもっと進化してスマホ以外の何かになっている気がする。それからまだ人々が車を運転してるけど、今から14年後なら自動運転がかなり普及しているだろう。
ロボットが治安維持にあたるという設定も、意外なくらい違和感がなかった。僕らが生きる2014年の現実の世界でも既にドローンが実戦に投入されているし、自立型の戦闘ロボの研究も着々と進んでいる。だからこんな未来は決して荒唐無稽ではない。むしろ「人間がやるべきことってなんだろう?」っていろいろと考えさせられました。
人間らしさって、なんだろう?
人間の営む葛藤に満ちた日常は、実はそれ自体非常に価値があるものなんだな。愛、友情、人として間違った行為、苦しみや悲しみ。いろいろな実に人間らしいドロドロとした内面が上手に描かれていて、人間に対していとおしさを感じさせてくれました。
久しぶりにブログを書く気持ちにさせてくれた、なかなか魅せてくれる映画です。是非ご覧あれ。
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