2011年10月30日日曜日

ウォールフラワー

アメリカでは、存在感のない子を指して"Wall Flower"「壁の花」という言いかたをよくします。

そういう子ってクラスの横っちょでひっそりとしていて、別に自分の意見を言うわけでもなく、まさしく「壁の花」って感じなわけです。

今アメリカの中高生の間で非常に流行っている一冊の本があり、その本のタイトルが”The Perks of being a Wallflower”というものです。「壁の花でいる役得」、あるいは「壁の花が貰えるおこぼれ」とでも訳せばいいのでしょう。一人のあまり目立たない内向的な少年のお話です。この本、現代版の「ライ麦畑でつかまえて」である、などとも言われており、映画化の話もあるようです。

この本をamazon.com で見てみると、なんとレビューが1390(!)も付いています。相当売れている本でも普通は100かそこいらしかレビューが付きませんから、この本がいかに評判なのかなんとなく分かって頂けるのではないかと思います。

お話は、1991年に高校に入学したばかりのナイーブな男の子チャリーが、クラスメートに「いいヤツだと聞いた友達」にあてた手紙、という不思議な形式を取ります。チャーリーには2人の兄弟がおり、兄はペンシルバニア大学のフットボール部で注目の的、姉はチャーリーと同じ高校の3年生という設定です。物語は、冒頭でチャーリーの唯一の友達が自殺してしまうところから始まります。また物語にはチャリーがもう一人心を許していた「ヘレンおばさん」の話が度々登場します。が、彼女もまた亡き人なのです。ひとりぼっちで迎えた不安いっぱいの高校生活にチャリーは否が応でも向き合わざるを得ない、といった感じで物語はスタートします。

一言で言えば、ある男の子の成長の物語です。冒頭からグイグイ引き込まれてしまいました。セックスやドラッグの話もかなり出てきます。それらは私がアメリカで体験した高校生活や、いま私現在の私の息子たちが体験しているアメリカの高校生活と比べてもリアリティに溢れる話です。「あー、若い頃ってこういうことが世界のすべてだったなあ〜」と何度も思わせてくれる本でした。ハッとさせられる一言もところどころにちりばめられており、本当によく書かれた小説です。

ただチャーリーがナィーブで内向的な性格なはずなのに、意外に大胆な事をしたりと、ちょっと不自然に感じるところもなかったわけではありません。が、目を瞑ってもよいレベルでしょう。

映画化はよほど配役と脚本に気をつけないと、元の物語が台無しになると思います。

この本、英語版も日本語版をamazon.co.jp で購入できます。英語は非常に平易なので、英語で読んでみるのにかなり適していると思います。私は英語で読んだので、日本語版の訳がどの程度優れているのかは何とも言えませんが、アマゾンの書評を見る限りでは割とよいようです。

おすすめです。是非読んでみてください。

日本語版:


英語版:


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