このところ読んでいる青春ものの小説ですが、"It's Kind of a Funny Story" や”ウォールフラワー”と違って、非常に暗い話でした。
アメリカの新鋭作家 Jay Asher が2007年に発表し大反響を呼んだ問題作です。あらすじですが...
高校生2年生のクレイの家に、ある日7本のカセットテープが入った箱が送られてきます。送り主は不明。しかしテープの中身は、クレイがずっと思いを頂いていた、つい最近自殺してしまったハンナの声だったのです。
ハンナはその7本のテープの中で、誰がハンナ自身を自殺に追いやったのかを説明してきます。
そして自分を自殺に追いやった、13人の人達に順番にテープが廻っていくよう仕掛けていたのです。もしも次の人にテープを廻さないと、このテープは公表されるとの脅迫付きです。
クレイは順番にテープを聴いていきます。そして解き明かされていく謎、彼女を自殺に追い込んだ同級生達の陰の顔... 一体クレイ自身はどのような形でハンナの死に貢献してしまったのか...
とにかく暗い小説です。かなり辟易としました。
テープからのハンナのナレーションと、それを聴くクレイの思いが代わる代わる描写されるのですが、今までにあまり目にしたことのない手法でなかなか面白くはあるものの、時としてそれがひどく読み辛く感じました。
またちょっとハンナがあまりにも被害者根性でいっぱいでそれも鼻につきました。
そういった部分を差し引いても、かなり面白い小説でした。一読の価値はあります。しかし10代のうちに出会いたかった小説とでもいえば良いのでしょうか?
その一方で、10代の頃にはどんなことが気になったのか、どんなふうに傷付けたり傷付けられたりしたのかを思い出して、懐かしくも戻りたくない「10代」についてちょっと考えさせらりたりもしました。
ユニバーサルスタジオが映画化の権利を買ったそうなので、来年あたりにはスクリーンにお目見えでしょう。ただこれだけ暗いと、映画で観たいかどうか結構微妙な気もします。
日本語訳も出ていますのでいかがでしょうか?かなりよいレビューです。
こちらは英語版。
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