アメリカで封切りになった「ブレードランナー2049」を観てきました。
2時間43分にも及ぶ長編でしたが、最初から最後まで食い入るように観入ってしまい、そして今日再び観に行ってしまったほどインパクトある作品でした。
何がそこまでインパクトがあったのかというと、「人間とはなんなのか?」という作品を貫き通す根本的な問いかけす。AI が猛スピードで発達する今、これは極めてタイムリーな問いかけではないかと強く感じ入った次第でした。
人間を人間たらしめるものはなんなのか?
最近、AIができるのは評するに巧妙なパターン認識であって、AIは何か思考ができるわけではない、というような論調の記事をちらほら目にします。しかし、人間の中には筋だった思考はおろか、大したパターン認識もできない人が大勢いるわけです。また、人間がやってるのは巧妙なパターン認識ではないという確証は一体どこにあるのでしょうか?「AI と人間を分けるのは美意識の有無だ」というような考え方もありますが、人間の美意識だって、実はパターン認識の延長かもしれないのです。
あるいは、 「設計図に沿って作られただけの機械には命がない」とするならば、ではDNAという設計図に書かれた通りに成長する人間は、「命がある」と断言できるのでしょうか?
人間を人間たらしめているのは「人を愛する能力なのだ」という考え方もあるしょう。しかし、僕らが「愛」と考えているものの実態は、実は子孫や名声や富を残すために遺伝子レベルで組み込まれた、極めて精巧なプログラムなのかもしれません。「いや、人間には無償の愛がある」と思う人もいるかもしれませんが、無償の愛は滅多にないからこそ美談なのであり、基本的にそんなものは存在しません。
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人間と機械を分けるのは、目的意識の有無だけ?
これはまったくの思いつきレベルの私見ですが、人間とAiの違いは、目的意識を持ちうるかどうかだけなような気がします。目的意識を持ってゴール設定をする。これこそが人間らしさです。それがたとえ、「今日はパチンコで儲けてやる」「女を口説いて一発やろう」などといったゴールだとしてもです。逆にこれができない人は、徐々にその位置を機械に奪われていくような気がします。なおこの「目的意識」ですが、これは、「あれがしたい、これがしたい」というような欲求とは異なったものです。食欲、睡眠欲、性欲といった欲求は昆虫や下等動物にもあるわけで、人間だけに見られる際立った特徴ではありません。また、それに類するものは機械にもプログラム可能であると思うのです。しかし、少なくとも現在のところは、自分なりの目的意識を創り出し、それを実行に移せるAIは存在しません。
今後AIが発達すればするほど「人間を人間たらしめているものはなんなのか?」という議論はさらに熱を帯びていくでしょう。そしてその「人間らしさ」を磨くことこそが、21世紀を生き抜く力となっていくような気がします。
リアリティに溢れる近未来のテクノロジー
この映画でもう一つ面白かったことは VR、AR、音声認識、AI アシスタントといったテクノロジー発達していった延長線上に何が待っているのか上手に映像化して見せてくれた点です。ネタバレになるので内容は書きませんが、「ああ〜。やっぱりこうなるよね」的な納得感がたくさん得られる映画でした。また、キーボードをタイプしている人がほとんど登場せず、代わりのほぼすべての登場人物が音声でメカ類を操作していてたのも印象的でした。今でもアマゾン・エコーやアップルのSiriによる音声入力が普通に使われつつありますから、あと32年もしたら、確かにキーボードなんてなくなっているような気がします。
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さて、以上が「ブレードランナー2049」の感想です。本当に魅せてくれる映画なので、是非是非ご覧ください。オススメです!
前作を観ておきたい方はこちらをどーぞ!
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