2016年8月7日日曜日

セブ島で買ったヘンなスマホのスタンド

ご無沙汰しています。最近は年がら年中セブにいる松井です。 

さて話は変わるのですが、前から少し気が利いたスマホの充電スタンドが欲しいと思っていました。

私はかなりスカイプをやるのですが、その際に必ずスマホを使うので、どうしても充電しながら手放しで使えるスタンドが欲しかったでわけです。

充電を考えなければ、安くて使い易いスタンドが色々とあるわけですが、縦置きで充電ができてというと、今度はいきなりスピーカーと一体型になったりしてしまうのです。そんな大仰なものはいらないので、本当にただ充電をしながら立てておける台が欲しかったわけです。百円ショップで買ったこれなんかいい線いっていたんですが、下に充電用のケーブルを挿すと、それがテーブルの面につっかえてしまうのです。あと3センチぐらい高さがあればいいのにな……なんて思っていました。




そんな最中、何かいいとはないかと物色していたら、セブのカントリーモール内にある百円ショップ(正確には88ペソショップ〜200円ぐらいです)でこんなの見つけました。なお、このお店「日本城」というよくわからない店名で、セリアの商品などを扱っています。見たこともない中国製と思われる製品も多数あります。面白いです。



ふむふむ。

私の希望通り、充電しながら立てられる台です。デザインもポップでイケてるじゃないですか!

早速衝動買いしてきました。

ジャジャ〜〜ン!





ケーブルを手に持たせる部分が無駄に難しかったり、しかもこの人にケーブルを持たせることでケーブルの長さを取られてしまったりと、なんかよくわからないデザインですが、なんかカワイイので気に入りました。

なんかこのデザイン、僕の好きなキース・ヘリングの思い起こさせてくれます。



しばらくはこのスタンドを使ってみるとしましょう。今の所気に入っているので、もう一つ買ってアメリカに持って帰るかも。日本でも買えるかな?



2016年7月8日金曜日

海外でのビジネスに欠かせないこと

僕は去年から、横浜市立大学の芦澤ゼミの皆さまと懇意にさせていただいている。

このゼミではゼミ生に海外起業を体験させるという、実に面白い試みに取り組んでいる。具体的にどんなことをしているかというと、フィリピンで開催されるお祭に毎年飲食店を出店し、キチンと利益を出しているのだ。

当然のことながら行き当たりばったりでこれは成立しない。まずは先発隊が出かけて下見をし、宿や出店先を確保する。そして現地人スタッフを確保して共同作業できる体制を作る。日が近づいたら必要な物資を運んだり、あるいは現地で調達したりする。実際にその活動を目の当たりにすると、彼らの行動力に感心させられるし、また、社会人になってもなかなかやれないことをこの若さですでに体験できることに対して、ある種の羨ましささえ感じる。またこれを指導する芦澤先生の力量にも感心させられる。

「協業」はどうすれば成立するのか?

そしてつい先日お呼ばれして、彼らのディスカッションに参加させてもらう機会に恵まれた。

テーマは「協業」だった。

彼らは昨年、かなりの売り上げを立てることに成功した。ところが、みんなの気分が高揚した最終日の打ち上げ日に、一人の現地人スタッフが泣き出してしまったという。

出店中忙しくなるとついつい日本人だけで作業してしまい、現地スタッフがなんとなく置いてきぼりになってしまったという。別に悪気はあったわけではないが、とっさに英語が出ないため、どうしても目の前にいる日本人に声をかけてしまったそうだ。これはとてもよくわかる。海外の日系企業でも同じような状況をよく耳にする。

ゼミ生たちはこの体験を真摯に受け止め、日本人、現地人の双方がお互いを尊重し、助け合える環境を構築したいとディスカッションを重ねてきた、ということだった。

異なる文化圏の人たちと仕事をする上で大切なこと
ディスカッションを重ねる中で導き出された彼らなりの解答、それは「思いやり」「信頼関係」あるいは「お互いを尊重」といったような言葉だった。

でも、これらはなんか違う。

異なった文化圏の人々と協業するというのは容易なことではない。壁はいくつもある。言葉の壁。お互いの価値観の違い。期限を守ることへの感覚も異なれば、お金に対する価値観も違う。業種によっては味覚とか衛生観念の違いなども大きな障壁となりうるだろう。自分の当たり前は決して相手の当たり前ではない。「こんなの常識だろ!」と口から唾を飛ばしてわめいたって、自分の常識が相手の国ではとんでもない非常識かもしれないのだ。

そんな環境で僕が心がけてきたことは一つしかない。

それは「ゴールを明確化する」ということに尽きる。

僕がフィリピンで経営する語学学校ブライチャーでは、ことあるごとに「俺たちは最善、最良の語学学校を創るんだ」とスタッフに言い聞かせている。

あるいはもっと噛み砕いて「最良の学びの場を提供する。考えうる限りもっとも優れたカリキュラムを用意する。最高の講師陣を揃え、常にトレーニングする。勉強しやすい教室を用意する。勉強に集中しやすいよう、整った住環境を用意する。それらを常々進化させていく。」と、手を替え品を替えなんども何度も説明するようにしている。

すると、みんなが真剣に動き出す。他の語学学校ではフィリピン人講師の遅刻や無断欠勤で悩むというが、そうした悩みは僕らにはない。いい加減な奴には居心地の悪い環境が出来上がっているから、そういう奴らは勝手に辞めていってくれる。講師たちから新しいカリキュラムの提案が出てくる。リーダーシップを取れる人が頭角を現してくる。そうしたら後は適材適所で人組みをすればいい。そんないい循環が育ちつつある。



しかし、ゴールが明確でないと組織がバラバラになってしまう。日本人同士でも同じことだが、異文化圏だと尚更なのだ。些細なことが人種や宗教間での争いに発展したり、熾烈な社内政治を引き起こしたりする。

おそらく、このゼミのメンバーたちがすべきことは、とりあえず2つしかない。ひとつはこの「ゴールを明確化する」ということだ。そしてもうひとつは、今回のプロジェクトに必要な分だけでいいから、とりあえず英語で意思の疎通がスムーズにできるようになるということだろう。それ以上でも以下でもない。

では「思いやり」は不要なのか?

では「思いやり」や「信頼関係」や「お互いを尊重すること」は不要なのだろうか?

もちろんそんなことはない。でもそれは多分、前面に出して言うことではないはずなのだ。

そんなことを考えて折、ちょっとした事件があった。

その日セブ島は集中豪雨に襲われ、冠水で交通が麻痺状態に陥っていた。どこにも行けなくなった僕らは、モール内のレストランで食事をすることにした。こうしてある日本人の友人と食事をしていると、その友人が突如倒れてしまったのだ。

ちょうどその時刻、ブライチャーの講師たちは他のレストランで食事会をしていた。悪いと思ったが看護資格を持つものを呼び出すと、自分の食事を投げ出して文字通り走ってきてくれた。数分以内に医者が手配された。救急車を呼んでいたら間に合わないと、土砂降りの中、医師のマイカーで友人を搬送した。僕らが待合室で待っていると、学校の講師が2名が、僕らの荷物を手にしてやってきてくれた。友人はやがて意識を取り戻し、僕らは病院を後にした。



食事にありついた頃には11時を回っていたが、みんな嫌な顔一つせず付き合ってくれた。深夜のマクドナルドは、冠水で帰れなくなった人でごった返していて、食事にありついたのは12時近かった。やがて食事が終わると、そのうちの1人がバイクで僕を家まで送ってくれた。小雨の降りしきる中、冠水を避けて裏道を走り抜けた。雨のしぶきや、髪の中を通り抜けていく風が気持ちよかった。バイクの後部座席で風を受けながら、僕はふとゼミでのディスカッションを思い出した。

「『思いやり』って、多分わざわざ言葉にすることなんかじゃなくて、もっとさりげないことだと思うよ」

僕はディスカッションの最中にそんなことを言ったのだが、その時にはうまく説明できなかった。次にゼミ生らに会うことがあったら、今日の話をしてあげたいな。雨に濡れながらそんなことを考えた。


本気だからこそ生まれる関係

彼らフィリピン人講師たちは、普段僕に叱られたり、檄を飛ばされたりして散々な目に遭っている。僕はいつだって超本気だし、彼らにも本気で仕事に取り組んで欲しい。だからつい厳しいことも言ってしまう。

でもいつも本気で関わっているからこそ、信頼しあえる仲間同士になっていけるのだ。わざわざスローガンに掲げなくたって、自然と相手を尊重する気持ちが湧いてくる。そして何か起きた時にはさりげなくお互いを思いやれる関係が、いつの間にが出来上がっている。でも、それぞれが嫌な気持ちになることを恐れてぶつかり合うことを避けてばかりいたら、こんな関係はきっとできはしないだろう。

ゼミ生のみなさんがフィリピンでの出店を通じて得られる体験は、生涯の宝なのだ。だからこと、キレイな言葉を並べて満足せずに、ぜひ本気でぶつかり合って欲しいと思う。そこから、一生続いていく友人関係が生まれ得るのだと思う。

では今年の出店の成功を祈っています。本番まであと1ヶ月。ガンバレ!




2016年6月25日土曜日

自立とは、依存先を増やすこと

紫原明子著「家族無計画」を読んだ。



僕は紫原さんの文章にすっかりハマっていて、cakesSOLO の連載記事の更新をいつも楽しみ待っている。だからこの本は、電子書籍ではなく是非紙で買おうと思っていた。ちょうどそんな時に日本に出張ができたので、早速買って移動中の機内で読んだ。

うん。買って良かった。はっと思わされる言葉がいくつも散りばめられた、とてもいい本だった。

この本は紫原さん自身とそのご家族の歴史である。ただ、時系列の物語というわけではなく、彼女の母としての、妻としての、職業人としての、あるいは女としての葛藤や想いが見事に描き出されている。そしてそれらが読者の心を鋭く掴む。

僕が最も感じ入ったのは、

「自立とは、依存先を増やすこと」

という言葉だった。脳性麻痺の小児科医の熊谷晋一郎氏の言葉だという。僕はこの方を存じ上げないが、目からウロコが一ダースぐらい落ちるほど心に響いた。

リスクヘッジ

この言葉を聞いて最初に思い浮かんだのは株の分散投資だ。ご存知の通り、投資のイロハといえば、一つの銘柄に固執せず様々な会社の株を分散して購入するすることだ。こうすることで、リスクを大幅にヘッジできる。そしてこの分散投資とは、実に効率の良い資産形成の方法なのだ。

人生も同じなようなものなのかもしれない。

多くの人が変化を恐れて、「何もしない」というリスク回避方法を無意識のうちに取ってしまいがちだ。あるいは人間関係を広げることを面倒臭がったり恐れたりして、何十年も同じ人間関係の中に閉じこもってしまったり。

でも、僕らは必ず歳をとっていくし、自分に落ち度がなくたって、失業や病といった理不尽な出来事に襲われることもある。特定の人間関係に大きく依存してしまうと、そこが損なわれた時に居場所がなくなってしまう。

また、僕らは長生きになった。今や人生80年なのだ。その一方で時代のほうはかつてないような猛スピードで変わり続けている。だから多分、何もしないのはあまり有効なリスク回避手段ではない。

じゃあ冒険をするべきなんだろうか? 海外に飛び出すべき? 転職すべき? それとも起業すべき?

それらは一部の人にとっては刺激的かつ有効なリスク回避手段になりうるだろう。でも、多くの人にとって、それはあまりにもハードルが高い選択肢でもある。

人の輪を広げる

ではどうすればいいのか? ヒントは紫原さんの本にある。紫原さんは専業主婦時代に、ホームパーティを開いては人の輪を広げていったという。やがて離婚に至った時、そのホームパーティで知り合った人々との繋がりが彼女を助けていったのだ。

僕が創った英語学校、ブライチャーには様々な職業の老若男女たちが英語を学びにやってくる。彼らが手にするのは、決して英語だけではない。新しい人の輪を手にするのだ。生徒さんの中には、まるで戦友同士のように仲良くなって帰っていく人たちも少なくない。おそらくそれは、全員が強烈な体験を共有するからだろう。そして、僕自身もその体験をおすそ分けしてもらっている。



やがてここの仲間たちの間で、仕事の紹介などといった動きも出てくるだろう。生涯の伴侶にめぐり会う人も出てくるかもしれない。僕は、そんな関係作りを積極的に援助していきたいと思っている、なぜなら、関係作りはそのまま自立への最短距離だからだ。

そんなわけで、この「家族無計画」オススメです!他にもグッとくる言葉やエピソードが散りばめられていて、心の奥深くに響いた1冊でした。

よかったらポチッとよろしく→